ビル・ゲイツ支援のTerraPower社、次世代原子炉「Natrium」が米環境審査を通過 建設許可へ前進
ビル・ゲイツが支援するTerraPower社の次世代原子炉プロジェクト「Natrium」が、米原子力規制委員会(NRC)の最終環境影響評価を通過し、建設許可取得に向けて大きく前進した。
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【ワシントン】ビル・ゲイツが支援する原子力企業TerraPower(テラパワー)の革新的な次世代原子炉「Natrium」プロジェクトが、米原子力規制委員会(NRC)の重要な環境審査を無事に通過した。プロジェクトはワイオミング州ケマラーに建設予定で、米国初の商業用先進原子炉として注目を集めている。
NRCは「Kemmerer Unit 1」と呼ばれる本プロジェクトに関する最終環境影響評価書(EIS)を完了し、建設を妨げるような有害な環境影響は認められなかったと結論づけた。これにより、TerraPowerの子会社USOに対し、施設建設許可の発行を正式に勧告した。
今回の承認は、米国の原子力産業において画期的な一歩とされている。Natrium炉は345メガワット級の高効率ナトリウム冷却型高速炉であり、再生可能エネルギーとの組み合わせを想定した柔軟な電力供給を特徴としている。
TerraPowerは声明の中で、「この成果は持続可能で安全な原子力エネルギーの未来に向けた重要なマイルストーンだ」と述べ、2020年代後半の運転開始を目指す方針を示した。米国エネルギー省も同プロジェクトを次世代エネルギー戦略の中核と位置づけており、今回の進展が他の先進原子炉開発にも波及効果をもたらすと期待されている。