デンマーク、40年ぶりに核禁止を解除し、再生可能エネルギー懸念の中で原子力計画を検討

デンマーク政府が、40年前に導入された原子力発電の禁止を解除し、原子力プログラムの開始可能性を評価する計画を発表したと、テレグラフ紙が報じた。この決定は、再生可能エネルギーに大きく依存する同国が、最近のイベリア半島で発生したような停電リスクに対処する必要性から生じている。

スウェーデンやドイツとは異なり、デンマークはこれまで民間の原子力発電プログラムを持たず、2001年に最後の小型研究用原子炉が閉鎖されるまで、3基の研究用原子炉のみを運用していた。世界的な原子力への関心の高まりは、主にAIデータセンターによる電力需要の増加によるものだが、デンマークの動機は異なる。同国は、天候に左右される再生可能エネルギーの不安定さが電力網の運用に適さないことから、電力供給の安定化を求めている。

スペインやポルトガルと同様、デンマークも風力や太陽光などの再生可能エネルギーに大きく依存しているが、これらのエネルギー源は安定供給に課題を抱えている。政府は、原子力導入により電力網の信頼性を強化し、将来の停電リスクを軽減することを目指している。今回の政策転換は、デンマークのエネルギー戦略に大きな変化をもたらす可能性があり、今後の具体的な計画に注目が集まる。