3つの電子の液滴が液体のような挙動を示すことが判明
3つの電子からなる液滴が液体のような挙動を示し、コロンブ相互作用による新たな物理現象が確認されました
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電子の相互作用によって分離された系の実験により、液体のような状態が現れることが確認されました。この現象は、たった3つの電子でも液体的な挙動を示すことが明らかになったものです。
電子はコロンブ相互作用を通じて強く反発し、この相互作用はすべての荷電粒子間で働きます。多数の電子が存在するシステムでは、この相互作用が液体のような相を作り出し、これを「コロンブ液体」と呼びます。『Nature』誌に発表されたShajuらの研究では、単一の電子ペアの相互作用とコロンブ液体の出現との間に橋渡しを行い、たった3つの電子で構成される「液滴」がコロンブ液体の特徴を持つことを確認しました。
コロンブ液体の特徴は、粒子間の強い相互作用によって、電子の動きが相関している点にあります。つまり、1つの電子の挙動は他の電子の挙動に依存します。Shajuらは、少数の電子(この研究では2〜5個)の相互作用によって形成される「電子液滴」におけるコロンブ液体の出現を研究し、液滴を2つに分割し、得られた小さな液滴内での電子間の相関を測定しました。